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札幌記念「女帝エアグルーヴ」圧巻の連覇。武豊「不在」のエアスピネルは「同門」の偉大な先輩に続けるか─Gambling Journal ギャンブルジャーナル// 2017年8月16日 16時0分 http://biz-journal.jp/gj/2017/08/post_4104.html


 同じ「エア」の勝負服を背負った英傑は札幌の地で凱歌を揚げることができるだろうか...
 今週末の札幌記念で約2ヶ月半ぶりにターフへ復帰するエアスピネル(牡4、栗東・笹田和秀厩舎)。今年の初勝利を飾った京都金杯から一貫してマイル路線を主戦場としてきたが、その京都金杯を勝って以降はめぼしい成績を挙げられず、目線を替えて2000mの札幌記念へ参戦となった。
 現役最強馬キタサンブラックとの兼ね合いから、デビュー以来苦楽をともにしてきた武豊騎手とのコンビが解消されるなど、何かと競馬ファンの注目を集めている同馬。3歳時にはクラシック戦線で安定した成績を残しており、今回の距離延長がそう悪い方に出るとは思いづらいが、それでも激しい気性面を考えると不安がないわけでもない。新鞍上のルメール騎手の手綱さばきにも期待したいところだ。
 ところで、札幌記念×「エア」といえば、昔からのファンならあの「名馬」を思い出さずにはいられないだろう。もちろん、1997年→1998年に牝馬ながら超ド級の圧勝で連覇を飾った女帝・エアグルーヴのことである。
 3歳時のオークスで初のG1制覇。当時はまだ母ダイナカールゆずりの並外れた身体能力だけで結果を出しているような印象があり、その後は調整難がたたってトライアルを使えず、直行で秋華賞へ出走。レース中の骨折で大敗し長期離脱を余儀なくされるなど、競走馬としての完成には至っていなかった。
 約半年のブランクを経て迎えた復帰初戦のマーメイドSを単勝1.9倍の断然人気に応えて快勝すると、続く2戦目に選ばれたのが札幌記念だった。


■次のページ▶▶▶ レースはまさにエアグルーヴの独壇場


 1995年のクラシックウィナーで前年のマイルCSを優勝していたジェニュインをはじめ、函館記念優勝馬アロハドリームなど牡馬の重賞ウィナーがひしめくなか、エアグルーヴは当然のように1番人気に推された。しかも、単勝オッズはマーメイドSを上回る1.8倍。まだ牝馬が一線級の牡馬と戦うことが珍しかった当時においては破格の高評価といっていい。
 レースはまさにエアグルーヴの独壇場だった。五分にスタートを切ると、鞍上の武豊騎手は中団外目のポジションを選択。道中は大きな動きもなく坦々と進み、勝負どころでほぼ馬なりのままマクリ気味に進出する。
 直線に入った時点で、すでにエアグルーヴは先行勢を射程に入れていた。残り250mで初めて右ムチを入れると、他馬を置き去りにグイッと伸びて勝負あり。2着以下を2馬身半突き放す完勝を収め、札幌競馬場に集まった大観衆に強烈なインパクトを残した。
 初の牡馬混合重賞タイトルをゲットした同馬は、次走に中距離路線の頂上決戦である天皇賞・秋を選択。前年の覇者バブルガムフェローとの極限の叩き合いを制してG1・2勝目を挙げた。エアグルーヴが当時の競馬界に与えた衝撃の大きさは、同年にG1を1勝しかしていないにも関わらず、その年の年度代表馬に選ばれたという事実からもうかがい知ることができる。
 翌1998年は初戦の大阪杯こそ勝利を手にしたものの、続く鳴尾記念2着→宝塚記念3着と煮え切らない成績で上半期を折り返した。そして連覇が期待された札幌記念。この時は昨年以上の1.3倍という過剰なほどの支持と、58キロという牝馬には厳しすぎる酷量を背負っての出走だった。
 しかし、そんな数々の逆風も女帝の前では意味をなさなかったようだ。ほぼイーブンのスタートから、この時は先団馬群の中ほどにポジション。2番人気のサイレントハンターが大逃げに持ち込む展開のなか、道中はゆったり構えてジックリと脚を溜めた。


■次のページ▶▶▶ 歴史的名牝は同時に類まれな洋芝巧者でもあった


4コーナーで前年と同じように徐々に進出すると、逃げ粘るサイレントハンターめがけて猛追。直線半ばで先頭に躍り出てからはもう役者が違った。結果的には2着以下に3馬身差をつけて楽勝。2着に入線したサイレントハンターと3着以下がさらに2馬身近く離れていたことからも、エアグルーヴが1頭だけ別次元の競馬をしていたことが推測できる。
 その年の有馬記念5着を最後に同馬はターフを去った。札幌競馬場では札幌記念の連覇を含み通算4戦3勝2着1回。歴史的名牝は同時に類まれな洋芝巧者でもあったのだ。
 同じ「エア」の冠名を受け継いだエアスピネルは、12戦のキャリアで洋芝を走った経験がない。どちらかといえば京都のような軽い馬場が得意なタイプだけに、タフな札幌が合わない可能性もある。同門のエアグルーヴにあやかって何とか初の洋芝を克服してもらいたいところだ。

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