グリーンセンスセラさんの競馬日記

 「伝説のレコード」消滅? 函館

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JRAに元大物調教師が「裏切られた」と猛抗議!? 函館競馬の超高速化で29年間守られ続けた「伝説のレコード」に迫る"消滅"の危機── ギャンブルジャーナル / 2017年7月15日 17時48分 http://biz-journal.jp/gj/2017/07/post_3844.html


「厩舎関係者にすれば、裏切られた思いが強い」

 14日付の『日刊スポーツ』だ。史上初めて4年連続でJRA賞を受賞した名牝メジロドーベルなどを手掛けた大久保洋吉元調教師が、自身の連載コラムで函館競馬場の芝の「高速化」について激しく異を唱えている。

 実際に、先月17日から開幕した函館競馬は初日からレコードが連発。メインの函館スプリントSでは、従来のレコードを1秒も更新する超高速決着となった。

 結局、初週から土日合わせて計5回レコードが更新された"異常事態"に、池添謙一騎手も当日のトークショーで「スピード競馬になってしまった」と語り、騎手会長の武豊騎手も自身の公式ホームページで「土日二日間でレコードが5本!」と驚きの声を綴っている。

 ただ、武豊騎手が「(今後の)馬場の推移を見守っていくつもりです」とコメントしている通り、この時は基本的に速い時計が出やすい開幕週。開催が進むにつれて馬場が痛み「時計が掛かる従来の函館に戻るのでは」と見られていた。

 ところが開幕4週目に入った9日でも2歳新馬がレコードを更新。そんな状況を受けて声を上げたのが大久保元調教師だった。

 師は函館競馬場で使用されている洋芝は本来「良馬場でもクッションの利いた時計の掛かる馬場で、関係者にも好評だった」と話し、今回際の芝状態に対して「ここまで速くなると、ちょっと納得がいかない」と異議を唱えている。


次のページ▶▶▶「JRAは高速決着が故障の原因になることを念頭に置いて馬場管理に当たってほしい」

 また「(従来の)洋芝に合う馬を出走させて結果を求めてきた厩舎関係者にすれば、裏切られた思いが強い」と"現場の声"を代弁。最後には「JRAは高速決着が故障の原因になることを念頭に置いて馬場管理に当たってほしい」とJRAの馬場造園課に対して強く警鐘を鳴らしている。

 元より函館や札幌競馬場は気候の関係上、他の競馬場で使用されている野芝の育成が不安定ということもあって、時計のかかる洋芝が使用されている。派手なタイムこそ出にくいが、例えば「欧州の馬場に近い」という理由で、フランスの凱旋門賞に向かう陣営が前哨戦として札幌のレースを選択するなど、競馬場が持つ1つの"個性"として関係者に親しまれてきた。

 ただ、近年は函館競馬場の高速化が進み「洋芝としての個性が失われつつある」という懸念は競馬関係者だけでなく、競馬ファンからでさえずっと聞かれている。

 大久保元調教師が語るように、馬の故障に繋がる可能性が生まれることももっともだ。だが、ファンからすれば長年守られてきた「最後の聖域」が、ついに"消滅"してしまうのではないかという不安を抱いている人も多いようだ。

「現在、JRAの重賞が行われる芝コースで、平成に入ってから唯一レコードが塗り替えられていないのが、今週の函館記念が開催される函館の芝2000mです。今年は開幕週から高速馬場となりレコードも次々と更新されているので、1988年から守られているレコードタイムが『ついに更新されてしまうのでは』と考えている人も多いようですね」(競馬記者)

 今から29年前、1988年の函館記念は、オールドファンを中心に今でも競馬ファンの間では語り草になっている伝説のレースだ。


次のページ▶▶▶紛れもない“モンスター”の走破時計も危機に
前年のダービー馬メリーナイスを5馬身ちぎり捨て、レコードタイムでレースを制したのは、3歳馬のサッカーボーイ。後にマイルチャンピオンシップを4馬身差で圧勝し、ゲートで暴れて流血した有馬記念でも、先着を許したのはオグリキャップとタマモクロスだけという紛れもない"モンスター"である。

 そんなサッカーボーイが函館記念で記録した1.57.8という走破時計は、当時の函館レコードどころか日本レコードとなる、まさに異次元のタイムだった。

 ただ、そんな29年間も破られていない"スーパーレコード"が、今年破られてしまう可能性は確かに存在しているようだ。

「開幕週で更新された5本のレコードの内、1本は芝1800mでした。実はこれも1988年から29年間破られていなかったレコード。これが更新されたということは、理論的に2000mのレコードも更新される可能性は当然あります。

 今年の函館記念はステイインシアトルやマイネルミラノなど、強力な逃げ先行馬が揃った感がありますし、ペースの速いレースになれば、従来のレコードが更新されるかもしれませんね」(同)

 無論、競馬が続き、競走馬や調教技術が日々進化を遂げている以上、レコードはいつか更新されるものではある。それが「日本競馬の進化の証」という考えもあるだろう。ただ、ファンからすれば、最後に残ったこともあって"あの"サッカーボーイのレコードだけは破られてほしくないという思いもあるようだ。

 現在のところ、函館記念が開催される16日の函館には降雨が予報されているが、果たしてそれが「奇跡の雨」となるのだろうか。

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